長崎大学 大学院水産・環境科学総合研究科附属環東シナ海環境資源研究センター 石松研究室

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10月7日
MoOでのマッドスキッパー調査活動が経団連自然保護協議会の視察を受けました。日本を代表する企業で環境保護活動に携わっている人達からなる、経団連自然保護協議会の22名がベトナム、ソクチャン省のMoO干潟を訪問しました。目的は、石松らがカントー大学、ソクチャン省と協力して進めているMoO干潟の生態系保全およびエコツーリズムゾーン設定を目指した活動を視察するためです。MoOの干潟には、Boleophthalmus boddarti, Oxuderces dentatus, Periophthalmodon schlosseri, Periophthalmus chrysospilos, Scartelaos histophorusと5種のマッドスキッパーが生息しており、世界の他の場所に見られないほど生物多様性が高い、貴重な場所です。
 前日の6日には、Hieu君と石松はMoO干潟を準備のため訪れ、5種のマッドスキッパーを入れる水槽や説明のためのポスターの設置について、見学用桟橋にあるコーヒーショップの人達と打ち合わせを行ったり、すぐ近くに住む漁師さんにマッドスキッパーの採集のお願いをしたりしました。またソクチャン省の若い職員であるLuanさん(日本語も話せます)に7日朝早くにMoOに行って最終準備をお願いしました。
 当日の7日午前中は心配した雨もなく、カントー市のホテルを朝7時に出発して、約2時間の旅の後、MoOに着きました。ソクチャン省からも10名近く、カントー大からも3名が説明のために参加してくれました。視察は1時間の予定でしたが、大変皆さん喜んでくれ、結局1時間半ほど干潟の視察を行いました。お試しにとカケオ(ベトナム南部で養殖されているマッドスキッパーの1種)を60匹ほど七輪で串焼きにして準備しておいたのですが、見事に完食してくれました。
 この活動はまだ先が長いですが、JICAによるカントー大支援事業に位置付けてMoOの貴重な生態系の保全に向かって進んで行きたいと思います。
(この様子の写真は後日添付させていただきます)

9月24日
岐阜大学で開催されていた日本魚類学会年会で、Mai Van Hieu君が「繁殖時における雌雄トビハゼの巣穴内滞在について」および野間昌平君が「ホコハゼ循環系の解剖」というタイトルで口頭発表を行いました。Hieu君の発表が16:30から野間君の発表が16:45からで、しかも会場が別の建物だったため、石松はHieu君の発表が終わり次第走って野間君の会場に向かうという慌しさでした。センターで繰り返し練習したせいで、二人の発表ともに分かりやすく大変好評でした。発表の後、3人でホテル近くの飲み屋に行き、日本酒を堪能しました。
 25日夕刻には学会のエクスカーションがありましたが、野間君は最終面接が同日にあったため、またHieu君と石松は同日夜からベトナム野外調査に出かけたため、参加できませんでした(残念!)。

7月31日
7月1日からまる1ヶ月間、「ダーウィンが来た」の撮影に協力しました。1年前から担当のディレクターの方と相談をしてきましたが、4月にこの番組でトビハゼを取り上げることが正式に決まり、これまで準備をしてきました。
東京からのディレクターとカメラマン、石松研でマッドスキッパーの研究をやっている野間君とHieu君、そして私と村田さん、さらには水産学部や九大の学生さんにも手伝ってもらって、1ヶ月の合宿状態でした。1ヶ月の間、野間君とHieu君はほとんど佐賀にいっぱなし、村田さんも用事がある時だけ佐賀から長崎へ通うという状態、私も講義や試験をしに長崎へ帰っていました。私たちが主に担当したのは、10m以上ある内視鏡を使って、巣穴の中でトビハゼが卵を孵化させる行動の撮影です。内視鏡を設置したら、24時間体制で撮影機材が置いてあるテントに詰めていないといけないこともあり、約1か月の撮影が終わるころには全員体力の限界を感じていました。
内視鏡だけでなく、様々なトビハゼの生態の撮影に成功して、とても面白い番組になるのではないかと期待しています。放送日は未定ですが、年内には放送されるようです。ご期待ください。

2016年第2回ベトナム調査
6月3日から9日に、今年2回目のベトナム、マッドスキッパー調査を行いました。今回は潮の関係からMoOには行かず、昨年12月に発見したメコン川上流のマッドスキッパーの分布と基礎的な環境測定をすることとしました。メコン川は、メコンデルタでは大きく2本の川(Hậu River, Tiền River)に分かれて流れていますが、その両方の川をずっと遡って、カンボジア国境まであと70kmというあたりまでPeriophthalmodon septemradiatusの分布について調べてみました。
昨年12月の調査では、河口からの直線距離が100kmあたりの地点でPn. septemradiatusがいることを確認しましたが、今回はなんともっと上流、河口から約150kmの地点にいました。巣穴があることも確認しました。写真に写すと、この魚は目が青いです!エキゾチックな謎の魚です。雄雌が同じ巣穴にいることもありました。
河口から約120kmの地点では、圧力データロガーを水路に沈めて水深の変化を調べてみましたが、1日に2回、規則正しく上下していて、こんなに河口から離れていても潮汐の影響があるようでした。この日(6月6日)は新月の次の日でしたが、水深の変動は約2mでした。
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5月30日
2014年に続いて、今年の12月5日から16日にベトナム・カントー大学で大学院生を対象とした魚類生理学コースを行います。今年のタイトルは”Acid Base and Ion Regulation in a Hypercapnic World”です。2014年の際には、日本、ベトナム、アメリカ、カナダ、デンマーク、マレーシア、ネパールから24名の参加があり、ハードスケジュールで大変でしたが、大変面白いコースでした。講師陣は前回と同じく、デンマーク、ノルウェー、アメリカ、カナダ、ベトナム、そして日本からは石松が担当します。詳しくはチラシをご覧ください。
Acid Base and Ion Regulation in a Hypercapnic World

2016年第1回目ベトナム調査

 3月5日から14日に、今年最初のベトナムでのマッドスキッパー調査を行いました。以前は、福岡空港からベトナム航空で出かけていましたが、週2便に限られているので、この頃は長崎から羽田まで飛んで、羽田からホーチミンに向かっています。このルートだと毎日あるので便利なのですが、難点は夜中に飛ぶことです。夜中の1時半ごろに離陸して、着陸は朝の6時前くらいです。おまけに大概混んでいるので、やや疲れます。
 今回は、3月7日に調査地である、Soc Trang省のMoO(ベトナム語で鷲のクチバシと言う意味らしいです)に着きました。着いてまずびっくりしたのは、開発が急ピッチで進んでいることでした。去年の6月に来た時には、私たちが泊まったホテルのほかはほとんど何もなくて、夜は真っ暗だったのですが、今年は道端にたくさんレストランができていて、ネオンなんかもあり、様変わりしていました。このピッチで開発が進むと、干潟やマングローブが壊されるのが心配です。
 去年の6月に来た時には、MoOの干潟には5種類のマッドスキッパーがいました。今年はどうかなあ、と心配しながら行ってみると、なんとやっぱり5種類がきちんといるではないですか!日本のトビハゼと同じ属のPeriophthalmus chrysospilos、ぐっと大きなジャンボトビハゼのPeriophthalmodon schlosseri、ムツゴロウによく似たBoleophthalmus boddarti、日本ではトカゲハゼと呼ばれて絶滅寸前のScartelaos histophorus、そして、日本にはいないOxuderces dentatusの5種類です。「水から出た魚たち」にきれいな写真とともに紹介してありますので、興味のある方はぜひ本を買ってみてください。
 干潟で彼らの行動をビデオで記録しましたが、O. dentatusはほとんど水から出てきません。魚類の上陸の一番最初の段階を示しているような気がします。時々、ささっと干潟の上に出てきて、餌を食べて、またすぐ水に戻ります。それに比べて、Pn. schlosseriやPs. chrysospilosはほとんど水に入ろうとしません。魚類の進化を見るようです。5種類ものマッドスキッパーが同じ干潟にいる光景は、おそらく他の場所では見られないと思います。Soc Trang省の行政の人達やカントー大学の研究者と協力して、このMoOの干潟を保護区(あるいはエコツーリズムゾーン)にできないかと去年から話し合っています。
ボダルティスカルテラオス&show(): File not found: "s_RIMG0353.png" at page "最新ニュース";クリソスピロスシュロセリ

2月22日
2月15日から18日まで、石松研の以前の学生、上岡聖也君(平成23年度修士課程修了)が勤める(株)キョーリン山崎研究所に滞在しました。古代魚ポリプテルス(Polypterus endlicheri endlicheri)の血管鋳型標本を作るためです。ポリプテルスは硬骨魚類の条鰭綱としては、唯一本当の肺をもっている魚で、古くはハイギョの仲間と考えられていました。ポリプテルスの血管系の解剖については、いまだに1901年の論文(Budget 1901 Trans. Zool. Soc. Lond. 15, 323-338)に載った図が使われている有様です。これではいかんと思い、上岡君に相談したところ、なんと研究所に飼育しているポリプテルスを使わせてくれるというので、村田さんと勇んでお邪魔しました。
 顕微鏡や手術台などの荷物がたくさんあったので、センターから兵庫県の山崎研究所まで車で行きました。片道約750キロ、約9時間かかりました。15日は準備などもあって、4匹しか標本を作れませんでしたが、16日には7匹、そして17日には9匹と、全部で20匹のポリプテルスに鋳型標本作成用の樹脂、メルコックスを注入することができました。これら以外にも、生きたままの魚を10匹、解剖用にホルマリン固定した魚を3匹いただき、ほくほくで長崎に戻りました。
 まだ、組織を溶かして鋳型標本を作るのはこれからです。上岡君、そしてキョーリン山崎研究所の皆さん、大変ありがとうございました!
キョーリン山崎研究所の皆様ポリプテルス鋳型標本作製1鋳型標本作製2

12月16日
海から100キロ近く上流にもマッドスキッパーが!

メコン川のほぼ淡水域にもマッドスキッパーがいると聞き、12月15日に調査に出かけました。最初に行ったのは、カントー市から車で1時間半くらい走った、Vinh Long省、Binh Tan DistrictのTan Quoi Communeというところでした。車を停めて、カフェのおじさんに尋ねたら、確かにいると言うではありませんか!さっそく、採集と写真撮影をしました。いたのはPeriophthalmodon septemradiatusが数個体。いた場所は、メコン川の支流につながる小川というか水溜りでした。そこの土手に穴が開いていてその中から顔を出していました。
次に行ったのは、Tan Binh Commune。車で10分くらいだったでしょうか。ここにも確かにいました。コバルト色の体色は、間違いなくPn. septemradiatusです。田北・石松著の「水から出た魚たち」には田北先生がインドネシアで撮影された婚姻色がでたPn. septemradiatusの写真がありますが、あれに近いものです。写真のピントがあまり合っていないのがとても残念です。体長はたぶん20 cm近くあったと思います。
稚魚も採れましたし、たぶんこの辺りで産卵しているものと思います。この日廻った3箇所で水の塩分を測ってみましたが、いずれもゼロでした。少なくともこの時は、表面の水はまったく淡水だったということです。Google Earthで計ってみると、メコン川の河口から直線距離で80~100キロの地点で採集をしたことがわかりましたが、地元の人に聞くと水位の変動が1 mから2 mくらいあるそうです。どのくらい上流までマッドスキッパーがいるのか、繁殖生態はどうなっているのか、謎を突き止めたいと思います。
Periophthalmodon septemradiatusPeriophthalmodon septemradiatus採集地点の風景明採集地点の風景

12月7日
 先週は、デンマークオーフス(Aarhus)大学の人たちと、パンガシウス(メコンデルタで養殖されて世界中へ輸出されているナマズの仲間)の循環生理に関する実験を行いました。体重が2.5キロくらいの魚を使って、鰓に血液を送っている血管に細い管(カニューラ)をとりつけ、回復させてから採血をして、心機能を推定する実験です。1週間一生懸命やって、私たちの予測は完全に間違っていたことがわかりました。。。でも大変充実した1週間でした。
カニュレーションオーフス大の人たちと

 オーフス大学は、私が30年前にポスドクとしてお世話になった大学です。彼らとは昨年カントー大で偶然会って、彼らもこちらへ長く通っていることを知りました。研究者として独り立ちしようと努力していたころと、定年まで後3年になった今、同じ大学の人達と共同研究をできることは素晴らしいことです。価値観を共有する友達がいるのは幸せなことですね。
11月20日
 ベトナムにはTeacher's dayなるものがあります。普段お世話になっている先生に敬意を表そうというありがたい日です。19日の夕刻には私がお世話になっている養殖・水産学部の前でパーティーがあり、私も招待されました。一番最初に学生さんが歌を歌った後(なぜかベトナムではセレモニーの最初に歌があります)、成績が良かった学生さんやスポーツクラブで活躍した学生さんが表彰されていました。養殖・水産学部を2つの企業が支援しているそうで、彼らには金一封がわたされていました。100米ドルくらいと聞きましたが、物価が安いベトナムとしては、結構な金額だと思います。その後には、今年講師、准教授、教授になった先生方へのお祝いがありました。ちなみに、ベトナムでは教授になるということは大変なことで、文科省の審議会で合格しないとなれないそうです。そのため、教授の数は大変少なく、カントー大学全体で8人しかいません、1500人近い教員のなかでです。そのうち、養殖・水産学部には教授が2人いて、なかなか大したものです。
 写真は、教授就任のお祝いを受けるNguyen Anh Tuan先生(元カントー大学長)と講師就任のお祝いを受けるその娘さんのユンさんです。ユンさんは、長崎大学の水産・環境総合研究科で金井先生の指導のもと、今年の3月に修士課程を修了して、カントー大に戻り、めでたく講師になりました。専門は病理学です。
 お祝いのあとは、飲み会になりました。ビールから始まって、ブランデー、ウィスキー、カラオケもさんざん歌ってました。歌っているのは、JICA事業で水産関係のコーディネータをやっているハイ先生です(ハイは海の意味。上海のハイですね)。タイにもTeacher's dayはあるそうです。日本もあったほうが良いかもしれませんね。

教授就任のお祝いをうけるTuan先生ユンさん頑張ってます
ハイ先生♪ハイ先生と一緒に

11月8日
 今日は、朝から集中講義で教えたクラスの学生たちと魚の採集に出かけました。この採集は、私が10月に教えたIntroductory Ichthyologyの一部の実習です。 朝8時にアパートに原付が来て、後ろに乗せられ、現地集合しました。学生たちも全員原付で来ました。近くの川に行って魚を採りましたが、投網があったので投げ方を教えてあげました。昔々の大学院生時代にカムルチーの餌集めにしょっちゅう投網を投げていました(全然うまくならなかったですが)。そして、投げてみたら、なんとこんな魚が入っていました。たぶん、いわゆるプレコストマスの仲間(上右)だと思いますが、そもそもアジアにはいないんじゃなかったでしょうか?これも外来種?このほかには、キノボリウオ(下左)、ティラピア、ライギョの仲間などが採れました。変だったのは、ヨウジウオみたいな魚が2匹採れて、そのうちの1匹お腹には卵がいっぱいならんでいました(下右)。
学生諸君と ブレコストマス?キノボリウオ?ヨウジウオ?

10月19日
ベトナムで2週間
 10月1日にベトナム、カントー大学に着いて、約2週間が経ちました。私は、12月31日までここにいます。カントー大学に対するJICA支援事業(来年1月から共同研究開始)に際して、いろいろとカントー大学の人達と協議してスムーズに立ち上げられるようにするのが主な仕事です。
 今週は月曜日からずっと集中講義(カントー大学では学部生を対象としたAdvanced Courseなる、英語で教えるコースがあり、私はGeneral Ichthyology(一般魚類学)を担当しています)をしていました。授業は火曜日以外は朝8時に始めていましたが、火曜日だけは朝7時からの授業でした。ベトナムでは、普通朝の授業は7時からみたいです。朝7時か8時から始めて、11時から1時半までが昼休みで、午後にまた13時半から4時半くらいまで授業をすると、もうくたくたです。学生は、カントー大学の養殖・水産学部3年生のベトナム人学生が28人と、タイソンクラ大学からの交換留学生が1名です。明日(17日)の午前中に最終試験をやって、一応終わりです。写真は今朝撮ったもので、授業の終った記念写真です。
 ここでは、大学から自転車で10分くらいのアパートに住んでいます。アパート代は1月400米ドル。お昼御飯はいつも、やはり石松研からこちらに3ヶ月滞在しているNopparatさんと野間君で学食に行きます。御飯の上におかずを乗せて、一人100円という安さです。おかずは、ナマズ(Pangasius)やキノボリウオの煮物(両方とも養殖)、または鶏肉の煮物か唐揚げ、アジ(?)の唐揚などです。なかなか美味しいですが、料理が変わらないので、やや飽きてきたと言うのが正直なところです。
 今、こちらは雨季なので、毎日かなり激しい雨が降ります。少し長く降ると、道路が冠水して自転車で帰れなくなるほどです。気温は曇りがちなため、さほど高くはなく、たぶん25~30度くらいでしょうか。
 Nopparatさんは、水温上昇と二酸化炭素がブラックタイガー(メコンデルタで大規模に養殖されているエビ)に与える影響を、野間君は、Pangasiusの血管系を調べています。3人とも至って元気です。日本に帰ったら寒いだろうなあと思いながら、毎日頑張っています。
授業が終わって

9月26日
 10月1日から12月31日まで、ベトナム・カントー大学に行ってきます。写真は、カントー大学の養殖・水産学部です。ここに3ヶ月います。
 主な目的は、JICAの支援によるカントー大学強化支援事業の一環であるモデル共同研究の一つ、「気候変動がメコンデルタの主要養殖生物に与える影響の解明」を立ち上げるためです。実は、研究室の博士課程の学生Nopparat Nasuchonさんが9月初めから既にカントー大学に行って準備中です。彼女も3ヶ月います。それから、後1名、修士課程の学生野間昌平君もカントー大学にいます。彼も3ヶ月です。つまり、石松研から3名がカントー大学に3ヶ月滞在することになっています(タイミングは微妙にずれていますが)。野間君は、メコンデルタで盛んに養殖されているナマズ(日本ではカイヤンと呼ばれて熱帯魚屋で売っているあれです)やカケオの血管鋳型標本を作るのが目的です。
 ただし、3ヶ月もいるのですからr、少しはマッドスキッパーの研究もやりたいと思っています。この前聞いた話では、メコン河の河口から140キロも上流に行ったところに1種類いるそうです(写真:たぶんこの種類。研究室のHieu君が撮影しました)。そんなに海から遠いと、多分完全に淡水でしょうし、潮の干満もないと思います。マッドスキッパーは、あんまり泳ぎが上手じゃない魚ですから、そうなると近くで繁殖している可能性もあります。それって、これまでの私たちが見つけてきた繁殖生態からは全然考えられないことです。とにかく確かめないといけません。昔々の文献に、マッドスキッパーのお腹から受精卵が見つかったという記述(と図まで!)があるのも気がかりです。
カントー大学水産学部淡水にいるかもしれないマッドスキッパー

2015年9月14日
 現在葛西臨海水族園では、開催中の特設展「はまったらぬけだせない!干潟の誘惑──東京湾のトビハゼとその仲間たち」を開催中です。これに合わせてトビハゼの謎にせまる講演会で一般の方にむけて話をすることになりました。
 特設展では東京湾の干潟にくらすさまざまな生き物の興味深い特徴をご紹介していますが、中でもトビハゼは魚なのに干潟の泥の上にくらすちょっと変わりもの。泥干潟というきびしい環境へ進出した魚たちの謎にせまります。
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&inst=kasai&link_num=23126
日時 2015年9月20日(日)13:30〜16:00
会場 葛西臨海水族園本館2階「レクチャールーム」

2015年6月9日
本が出ます!
 平成27年7月10日に海游舎から、田北 徹・石松 惇共著「水から出た魚たち-ムツゴロウとトビハゼの挑戦」が出版されます。この本は、昨年8月にお亡くなりになられた、元長崎大学名誉教授の田北 徹先生が生前に書いておられた原稿を石松に託されて、その後1年間をかけてようやく刊行にたどり着いたものです。田北先生は生前、ムツゴロウやトビハゼの生態について一般の方向けにわかりやすい本をぜひ出したいと話しておられました。そうすることが、国民の税金を使って研究を行っている大学職員の義務である、との強いお気持ちをもっておられました。
 この本は、以下の6章からなっています。「1.ムツゴロウって何者?」、「2.ムツゴロウたちが棲む環境」、「3.ムツゴロウたちの生活」、「4.ムツゴロウたちの繁殖と成長」、「5.マッドスキッパーから進化を考える」、「6.ムツゴロウ類の漁業・養殖・料理」。
 この本を作るにあたっては、日本国内のみならず、海外からもたくさんの写真や情報を送ってもらいました。本全体にカラー写真が散りばめられています。写真はできるだけ田北先生が撮影されたものを使いたいと思っていましたが,いかんせん,カメラの性能のせいで古い時代に撮られた写真はあまり解像度が良くなく,撮影し直したものもかなりありました。有明海には何度も写真撮影に通いましたし,そこで出会った方から表紙の写真は提供していただきました。沖縄では、ミナミトビハゼやトカゲハゼ(トカゲハゼの写真は自分たちではうまく撮れませんでしたが)、韓国ではトビハゼとトカゲハゼの近縁種,ベトナムでムツゴロウの仲間などの写真を撮り直しました。また、佐賀県には割烹や料理店を訪れて、ムツゴロウ丼などの写真を撮りましたし、韓国ではムツゴロウの刺身と天婦羅を撮影しました。ムツゴロウの刺身は、三枚おろしにされた身の内臓壁の辺りがぴくぴく動く、とても不思議なものでした。台湾、中国、バングラデッシュそしてベトナムからも料理の写真をたくさん送ってもらいました。
 一般の方向けということで値段も1800円+税となっています。また、今年は8月1日から東京の葛西臨海水族園で「トビハゼ特設展」が開かれることになっており、そこでも販売される予定です。興味のある方は、ぜひ買って読んでみてください。
水から出た魚たち
2015年4月18日
 近くのスーパーでパンガシウス発見!
私たちが調査をしているベトナム南部のメコンデルタで、非常に大規模に養殖されているナマズの仲間が近くのスーパーで売られているのを発見しました。名前はパンガシウスといいます。熱帯魚が好きな人は、カイヤンをご存知だと思いますが、あれです。成長が非常に早く、稚魚は7ヶ月で出荷サイズの1キロくらいになります。非常に高密度で養殖されていますが、ウキブクロを使って空気呼吸ができるため、水中の溶存酸素がゼロでも大丈夫というタフな魚です。これまでは、主にヨーロッパやアメリカに輸出されていて、日本にはあまり入ってきていないと思っていました。どうも、白身魚のフライとしてはこれまでも売られていたようなのですが、今回初めて名前を出して売られていました(ネットで調べると他のスーパーでも売られているようです)。さっそく買って、食べてみましたが、くせがなく美味しかったです。皆さんもチャンスがあったら、ぜひどうぞ
パンガシウスの説明白身魚フライ
2015年4月4日
 石松研恒例の春の研究室旅行!
今年は大分県別府市へ行ってきました。海きららでは皆マニアックな魚にくぎ付けになり、九州自然動物公園ではジャングルバスからの餌やり体験に大興奮でした。宿泊先の別府市ではちょうど温泉まつりが開催されており、神輿に遭遇したり歌手の観月ゆうじさんと記念撮影をしていただいたり、留学生の3人は日本のお祭りを体験できて楽しい旅行となりました。
海きらら竹瓦温泉観月ゆうじさん桜が満開お行儀がいいシマウマくん
2015年3月25日
 桜の蕾もふくらみはじめた今日、わが研究室から2名の4年生が卒業しました。
真夏の干潟で何時間も観察を続け素晴らしい卒論を書きあげた小野くん、コツコツと血管鋳型標本作成の練習を重ね見事な写真を撮った野間くん、ご卒業おめでとうございます。小野くんは社会人として、野間くんは大学院生として、新生活でのご活躍をお祈りしております。

2014年12月1日~12月14日
 ベトナム・カントー大学で空気呼吸魚生理学コース”Physiology of Air-Breathing Fish in the Mekong Delta: Basic, Applied and Conservation”を担当しました。
 このコースを担当する他の研究者はデンマークからTobias WangとMark Bayley、アメリカからJim Hicks、カナダからBill MilsomとColin Brauner、ノルウェーからGröan NilsonとSjannie Lefevreの7名です。参加した学生は、私の研究室からはMai Van Hieu君と野間昌平君、デンマーク・オーフス大の6人、ベトナム・カントー大の5人、カナダのブリティッシュコロンビア大から4人、ゲルフ大から1人、アメリカはUCアーバイン、UCマーセド、カールトン大から各1人、イギリスのマンチェスター大、マレーシアのトレンガヌ大、そしてネパールの水産庁から各1名の24名でした。
 最初の1週間は午前中に講義(8時から11時)そしてProblem Based Learning、午後には技術習得のための実習をやりました。私は、水曜日に空気呼吸魚の循環系の形態と生理について講義をして、実習はメコン流域で大規模に養殖されているナマズの仲間(Pangasianodon hypophthalmus)の背大動脈のカニュレーションを主に教えました。学生は6班に分かれて実習を受けるため、同じことを6回繰り返したわけです。カニュレーションの技術は、多くの学生にとって初めての経験らしく、とても好評だったと思います。
 次の日曜(12月7日)の午前中に最後の実習をやって、午後からは5班に分かれてのプロジェクトが始まりました。これは、教員がある程度のテーマを与えて、学生が希望によって分かれ、木曜いっぱいまでの時間を使って実験をするものです。私とTobiasは、空気呼吸魚の循環調節に関する実験をやりました。最初はいろいろグループ(Till(UBC), Luise(Aarhus), William(Aarhus), Corey(UCI), Prabesh(ネパール))で実験内容についての意見の違いもあったのですが、結局はタウナギを使って、実験の背景説明(Corey)、鋳型標本による形態観察(Prabesh)、空気呼吸を行っている時と行っていないときの動脈血PO2の違いとそれに与える種々薬剤(atropinやpropranolol)の効果(Till)、myogramを使ったshunt血管などへのcarbachol, atropine, noradrenalinの効果(Luise)について調べました。結果は金曜の午前中に全てのグループがプレゼンを行い、コースを終了しました。
 今回のコースは、ベトナムで行われた初めてのPhD実習コースだそうですが、かなりハードスケジュールでした。参加した学生諸君は、とても熱心で第2週目のプロジェクト実施の時には、私たちが朝大学に着いた時(8時ごろ)にはもう実験をしていましたし、夜も残って実験をしていたようでした。これから2年毎にこの生理学コースは開かれるようです。
 空気呼吸魚(カムルチー、ナマズの仲間、タウナギ、キノボリウオなど)は、日本では食用にされることはあまりありませんが、東南アジア諸国では重要な食資源です。メコンデルタでは、エビとならんでP. hypophthalmusの養殖が盛んで、ベトナムの主要な輸出品目の一つとなっています。もちろん、私たちが科研費で調査をしているカケオ(Pseudapocryptes elongatus)も盛んに養殖されています。
参加者全員での記念撮影実習の様子Pangasianodon hypophthalmus修了証書!!

2014年11月11・12日
長崎大学主催による国際シンポジウム”Human Impacts on Oceanic Environment, Ecosystem, and Fisheries”が長崎駅近くのホテルセントヒル長崎で開催されました。このシンポジウムは、石松が企画責任者になって水産・環境科学研究科とセンター職員の方々の協力をいただいて実施したものです。今回のシンポジウムでは「アジア・オセアニア」を重要なキーワードとして企画しました。11日午前中には日本、ベトナム、バングラデッシュおよびマレーシアで今起こっている海洋環境問題および漁業問題についての報告が、11日午後には海洋汚染について、12日午前中には気候変動の海洋への影響、そして12日午後には人間活動が海洋生態系および漁業に及ぼす影響についての研究成果が紹介されました。また、12日最後のセッションでは、日本国際協力機構(JICA)の国際協力専門員杉山俊士氏により「科学界がいかに発展途上国の海洋生態系保全および漁業生産の維持に関わるべきか」という講演がなされました。ベトナム、バングラデシュ、マレーシア、オーストラリア、韓国、台湾から計16名を招聘、このほか自費による海外からの参加者が5名(中国1名、香港2名、マレーシア2名)と、アジア・オセアニア各国からゲストが来てくれました。
13日には雲仙・島原へのエクスカーションがあり、雲仙では雪が降っていたり、島原城では忍者ショーがあったりと、皆さんとても楽しんでくれました。特に、小浜で足湯を楽しんだ時に、研究室の村田さんが準備してくれたタオルの気遣いには、参加者一同これが「日本のおもてなし」だと感心しておられたようです。
日本国内にいてはなかなか実感できませんが、特に東南アジアでは海洋汚染が非常に深刻な状況となっていたり、温暖化や酸性化などの海洋気候変動の影響が既に眼に見える形で進行している国々があるということを現状報告ではまざまざと見せ付けられました。これらの国々は、私たちが食べている輸入水産物の重要な供給源となっていることから、アジア・オセアニアの海洋環境を保全し、漁業および養殖生産を安定的に維持していくことが日本を含む先進国にとっても、きわめて重要な課題であるということを再認識させられました。
今回のシンポジウムも、一度きりの集まりではあまり意味がありません。ここで知り合ったアジア・オセアニアの人々が研究や教育の面で今後、どのように繋がりを深めていけるのかが大切なところです。私も定年まで後4年ちょっとになりましたが、まだまだやるべきことが沢山ありそうです。
会場入口学長挨拶
友達の川口さん(オーストラリア南極局)Nopparat,Peerapornポスター発表
質問するHieu友達のRajan(香港大)
シンポ最後のまとめ餅つきをするGao先生(アモイ大)とPhuong先生(カントー大)
2014年8月22日~26日
今年も恒例の臨海実験を行いました。水産学部3年生の海洋生物科学コースを対象とした実験です。毎年泊り込みで征矢野先生と2人で行っています。参加者は、今年は32名でした。全体を2組に分けて、それぞれの組が征矢野先生と私の研究室が担当した実験を24日の午前中までやり、24日の午後に入れ替わるという組立です。
これまでずっとウナギにカニュレーションを施して(1日目)、エバンスブルーを静脈から一定量注入して、その希釈割合からウナギの血液量を推定し(2日目)、3日目の午前中には心臓に直接カニューラを挿入して血圧を測るという実験を行ってきました。ところが、今年ウナギが絶滅危惧種に指定されたことから、魚種を変えることにしました。いろいろ検討した結果、手に入り易く、比較的おとなしくて扱い易いという理由から、ヒラメを使うことにしました。
ウナギの場合は、開腹して腎臓の脇を走る後主静脈を探し出して、カニュレーションをしていたのですが、ヒラメではそういう訳には行きません。そこで尾鰭の近くの筋肉を切開して、尾静脈(後主静脈と同じ血管ですが、腹腔より後ろの部分をこうよびます)を露出させ、カニュレーションすることにしました。これまで使っていたウナギチェンバーも全部ヒラメに合わせて作りなおしたため、研究室の学生諸君にはずいぶん苦労をかけました。さらにヒラメの口腔と鰓腔にもカニューラを装着し、鰓による酸素摂取効率も求めることにしました。
1日目は3年生にこれら3本のカニューラを付けてもらうのですが、なんせこちらも初めての経験とあって、ちょっと苦労しました。ヒラメの血液はウナギの血液よりも凝固し易いため、へパリンもやや多めに使わないといけないこともわかりました。2日目は基本的には、これまでのウナギを使った実験と同じ操作ですから、楽チンでno problemです。3日目は、これまた初めての試みでしたが、1度に8匹のヒラメを使って(学生は2人で1匹のヒラメを使って実験します)DOメータも沢山使っての測定なので、やや大変ではありました。
3日目の午後に学生が入れ替わって、2度目の実験をやりましたが、体力的にはややバテ気味であったものの、スムーズに実験を行うことができました。
泊り込みの臨海実験は、学生諸君と触れ合う機会も多く、私にとっても、研究室の学生たちにとっても非常に良い機会です。これから、3年生の諸君が自分の好きな研究を目指して卒論研究室を考えてもらいたいです。
ヒラメ解剖デモンストレーションカニュレーション装着後のヒラメくん苦労して作ったヒラメチャンバーバーベキュー大会
2014年6月23日~24日
 ベトナムのカントー大学一行が長崎大学を訪れました。24日は、ドアン・スアン・フン駐日ベトナム大使ほか大使館から3名が大学を訪問されており、カントー大学一行とともに学長表敬訪問を行いました。また、片峰学長との懇談には、冨岡勉文部科学大臣政務官も同席されました。学長表敬訪問の様子は長崎大学ニュース&トピックスの2014年6月26日付でご覧ください。
 昼食の後、文教キャンパスを視察して、カントー大の皆さんを環東シナ海環境資源研究センターへお連れしました。センターの給水施設や宿泊施設、学生実験室などを見ていただきました。また最後にはセンター前の岸壁に係留されていた長崎大学附属練習船「鶴洋丸」を見学して、次の視察地である東京へ向かいました。学長表敬訪問に関する記事にもあるとおり、今回の視察はベトナムのカントー大学に対するJICA(国際協力機構)の支援事業計画に関する準備作業の一貫として行われたものでした。
 また、翌日は「ベトナムデー in 長崎」というイベントが長崎市のブリックホールで開催され、フン大使、ブイ・クオック・タイン総領事やベトナムから40社もの企業の人達が長崎を訪れ、地元産業界との交流が行われました。蛇足ですが、私は今年から長崎ベトナム友好協会の会員になりました(NPO法人長崎ベトナム友好協会のHPに「ベトナムデー in 長崎」や「ベトナム友好協会総会」の記事が掲載されています。興味のある方はどうぞ)。

2014年5月5日~10日
 去年に続いて今年もベトナムのカントー大学で集中講義を行いました。養殖・水産学部(College of Aquaculture and Fisheries)の3年生を対象として英語で行うAdvanced Courseの一部として、General Ichthyologyの講義を担当しています。今年は2回目だったので準備は随分楽でしたが(去年はまるまる1ヶ月くらい準備に時間をかけました)、教えるのは去年同様、なかなか大変でした。学生さんはカントー大から32名のほかに、タイのKing Mongkut’s Institute of Technology Ladkrabang (KMITL)からの8名も受講していて、受講者数は去年の倍と、試験の採点も大変でした。私は知りませんでしたが、KMITLは大層有名な大学みたいです(失礼しました)。1960年にその前身が日本の学術協力で創設されたとホームページに書いてありました。
 5月4日にホーチミン空港について、そこにはカントー大学からの車のお迎えが来ていてくれて良かったのですが、車で3時間ほどかけてカントー市についた時、ホテルの予約が入ってなくて、ちょっとどきどきしました。翌5日からは、去年と同様朝7時半にホテルにお迎えが来てくれましたが、去年と違って車でした(去年は原付)。
 海外の大学で集中講義をやらせてもらうのは、自分にとっても大変良い経験になります。ベトナムの学生さんもタイの学生さんも質問を良くしてくれて、教え甲斐があります。自分の将来を切り開こうとする彼らの意欲は日本人学生が学ぶべき点だと思います。最終日には学生さんから歓迎会に招待され、ビール瓶で作ったタワーがあるお店で大変楽しい夜を過ごさせていただきました。
 今年も蛇足ですが、今回の出張ではヘビ鍋を食べました。店の前にヘビを入れた籠があり、そこからお好みのヘビを選びます。豆が入っただし汁で煮込んだヘビは骨がちょっと食べにくいです。一緒に行った人達は皆さん美味しそうに食べていましたが。。。
全員で記念撮影
真面目に講義ビール瓶タワー!!ヘビ鍋学生さんと

2014年4月29日
 毎年恒例の石松研歓迎会。今年はNOPPARATさんの息子さんNITITくんが来日していることもあって、北九州のスペースワールドへ行ってきました。前日までの雨が嘘のようにあがり、楽しい1日を過ごしました。
スペースシャトルの前でびしょ濡れ!
2014年4月1日
 桜の開花とともに今年度もスタートいたしました。
今年度の石松研は新しく4年生が2名加わり、フレッシュな顔ぶれとなりました。10月にはベトナムから留学生2名も加わる予定です。今年もやりたいことが目白押しですが、皆で力を合わせて良い研究が出来るよう、頑張ります。
2014年3月4日
 先のニュースでもお伝えしましたが、2月27日から3月2日にベトナムのカントー大学を訪問し、カントー大学における交流推進室の開所式を祝ってきました。今回は、長崎大学片峰学長以下、総勢8名の大所帯での訪問でした。学長の他には、水産・環境科学総合研究科から私も含めて4名、国際教育リエゾン機構から1名、そして国際連携研究戦略本部と熱帯医学研究所ベトナム拠点から各1名です。
 27日の13:30にホーチミン空港に着き、カントーまでの約4時間の自動車の移動を終えてホテルにチェックインすると、ほとんど休む間もなく最初の歓迎会でした。カントー大学長のToan先生ほか、顔なじみの皆さんに取り囲まれて、早速「ヨー」の連発でした。
 翌28日の午前中に開所式。両大学長のスピーチの後、シャンペンの乾杯もありました。長崎大学の水産・環境分野にとって、大変重要なイベントで、今後両大学の関係を強めるための一手です。これで両大学に交流推進室が正式に立ちあがりました。これからが正念場です。午後は養殖・水産学部と環境・天然資源学部を訪問しました。養殖・水産学部訪問の途中で私だけちょっと外して、Pangasianodon(メコンデルタで大規模に養殖されているナマズの仲間)の標本を受け取ってきました。血管鋳型標本の情報と併せて、血管系の構築を理解するための材料です。この日の夜も大歓迎会でした。
 今回はベトナムが初めての方もおられたのですが、タウナギ、キノボリウオ、カケオ、Pangasianodonと基本的な魚は一通り味わってもらえたようで、何よりでした(好き嫌いはともかくとして)。3月1日の朝は、全員二日酔いもなく6時からカントー川のfloating marketを見学しました。今年はあと5回くらい今年はカントー大に行きそうです。定年したら、カントーに住むかも知れません(半分本気で)。
交流推進室調印式

2014年1月9日
 1月5日から8日まで、ベトナムのカントー大学から学長以下4名の方々が長崎大学に来られました。カントー大とは、「ベトナム写真館」にあるように科研費でハゼ類の一種(カケオ)の共同調査をしていますが、長崎大学とカントー大学の交流推進室を双方のキャンパスに作る事になり、そのための調印式に来られたわけです(公式記事は長崎大学HPのニュース&トピックをどうぞ)。
 今回の訪問で、カントー大学長や水産以外の方々ともすっかり仲良くなりました。7日には環境科学部でカントー大学の教育研究についてのセミナーもしていただき、今後水産・環境科学分野での両大学の交流が進むきっかけになったと思っています。写真は、セミナーの後出島の「出島内外倶楽部レストラン」での模様です。かなり盛り上がりました。ベトナムでは「ヨー」と乾杯で言いますが、「ヨー」は突然くるので、重なると結構酔いますね。
 5日の昼食から8日の昼食までいろいろ食べていただきましたが、個人的には長崎の「浜勝」のトンカツと博多(8日に送っていった際)の「一風堂」のラーメンが大人気だったように思います。
 2月末には長崎大の片峰学長以下(私も)がカントー大を訪問します。4月にはシンポジウムで、5月には集中講義でカントー大に行きます。今年もしょっちゅうカントー大にはお世話になりそうです。
出島内外倶楽部レストランにてて

2013年11月28日
 11月6日から14日まで、タスマニアのAustralian Antarctic Divisionを訪問しました。7月10日付のニュースにも書きましたが、AADの川口 創博士たちとのナンキョクオキアミに対する海洋酸性化影響の論文がNature Climate Changeに掲載され、海外では大きな反響を呼びました(日本国内では残念ながらほとんど反響はなかったですが)。さらに、この論文が掲載された号の表紙はナンキョクオキアミが飾りました。川口さんの研究室のナンキョクオキアミ一筋のRob Kingさんが精根こめて撮った傑作です。
 今回は、ナンキョクオキアミの研究をさらに発展させるための話し合いをし、今後は初期発生期における幼生の遊泳行動に与える影響などについて実験を行うこととしました。恐らく2014年の9月ごろから次の実験が始まります。
 タスマニアは夏に向かっているわけで、もっと暖かいものと思っていきましたが、とても寒く、ホテルでもセーターを着たまま寝ていました。川口さんが日曜にカモノハシを見に連れていってくれました。写真の真ん中を拡大してみてください。
カモノハシNature Climate Change

2013年10月31日
 10月24日から31日までベトナムのカントー大学で、デンマーク、アメリカ、カナダの研究者と空気呼吸魚の生理研究を行いました。私は、ポスドクの時代(1983~84年)にデンマークのオーフス大学にいました。その後、ドイツのマックスプランク実験医学研究所(ゲッチンゲン)にいました(84~86年)が、その時の友達が誘ってくれました。ベトナムでは、大型のナマズ(Pangasianodon hypophthalmus)を大規模に養殖していますが、この魚の呼吸と循環について来年から本格的に研究する事になり、その準備が今回の主な目的でした。デンマークからはオーフス大学のTobias WangとMark Bayley, カリフォルニア大学アーバイン校のJim Hicksそしてブリティシュコロンビア大学のBill Milsomが参加しました。
 このメンバーにブリティシュコロンビア大学のColin Brauner、そしてカントー大学の2名(Do Thi Thanh Huong,Nguyen Thanh Phuong)を加えた8名で来年(2014年)の12月1日~12日にカントー大学で博士課程の学生を対象としたトレーニングコースを行うことになりました。添付したのが、Jim Hicksたちが中心になって今回作った案内です。タイトルは”Physiology of Air-Breathing Fish in the Mekong Delta: Basic, Applied and Conservation”、内容は、案内にあるように魚類における空気呼吸の進化、呼吸生理、循環生理、血液などなど盛りだくさんです。加えて、様々な研究手法を紹介し、実際に体験して取得してもらいます。申込締切は2014年7月15日です。今のところ、詳しい申込案内はできていませんが、様々な学会やホームページを通して宣伝を行いますので、興味のある方はぜひどうぞ。
 なお、募集人数は24名で、このうち半数程度がベトナム以外の国からの大学院生を想定しています。
Physiology of Air-Breathing Fish in the Mekong Delta:Basic,Applied and Conservation

2013年7月10日
 ナンキョクオキアミに対する海洋酸性化の影響論文がNature Climate Change電子版に公表されました。この研究は、オーストラリア南極局の川口 創博士が中心となって行った実験で、石松はlast authorとなっています。
http://www.nature.com/nclimate/journal/vaop/ncurrent/full/nclimate1937.html
長崎大学HPの学術情報には、プレスリリースされた文章が掲載されています(2013年7月10日付)。
http://www.nagasaki-u.ac.jp/

2013年7月8日
 6月はベトナム出張、帰ってすぐにオーストラリア出張、さらに奈良出張と出張続きの月でした。ベトナム出張のことは「ベトナム写真館」にも写真が載っていますが、現地で盛んに養殖が行われている魚(学名 Pseudapocryptes elongatus、ベトナム名 カケオ)の稚仔魚のサンプリングでした。これまでは、主にメコン川の南方沿岸にあるBac Lieuという町を中心調査を行っていましたが、今回は更に調査地点を増やして採集を試みました。
 オーストラリアは、ブリスベンで開催されたAsia Oceania Geosciences Societyの年会で海洋酸性化のセッションで講演を行いました。発表者4名、聴衆わずか10名という寂しいセッションでしたが。。。ブリスベンに続いて、ダーウィンを訪問しました。ここは、15年ほど前に科研費の海外学術調査でトビハゼの仲間のPeriophthalmus minutusなどの調査を行った場所です。現地の人に連れられて、Jumping Crocodile Cruiseでびっくり経験をしました。
鰐!!
 奈良ではタウナギ研究の第一人者、松本清二先生(奈良県橿原市昆虫館指導主事)のご協力を得て、奈良県橿原市の水田にてタウナギのサンプリングを行いました。2日間のサンプリングで30匹のタウナギを捕獲することに成功し、長崎まで生かして持ち帰ることができました。
今後、このタウナギを用いて血管系の微細構造の研究を行います。ずっとやりたかったタウナギ研究を再開し、謎に満ちたこの魚の呼吸と循環について解明したいと思っています。
タウナギ生息地タウナギ1タウナギ2タウナギ3

2013年5月5日
 4月29日(月)から5月4日(土)まで、ベトナムのカントー大学で集中講義を行いました。カントー大学は科研費の海外学術調査で2年前から一緒に研究を行っている大学です。
 講義名はGeneral Ichthyologyで、魚の分類・形態から生理を広く扱った内容で、私自身相当勉強しました。講義の準備をするにあたって、広島大学の植松先生、東京大学の金子先生、長尾自然環境財団の渋川さん、当センターの征矢野センター長、それに私の研究室のポスドクである横内君には、貴重な資料を提供していただきました。この場を借りてお礼申し上げます。
 クラスはAdvanced Courseに属する学生20名で、講義は英語で行いました。このコースの学生は5年かけて卒業するそうで、全員が海外留学希望でした。
 朝7時半にホテルに原付でお迎えが来て、ヘルメットをかぶり二人乗りで大学まで出勤しました。講義は午前中が8時から11時、午後が2時から4時でした。中間試験も最終試験もやり、採点して、書類にサインまでしてというハードスケジュールでした。
 今回の集中講義は、私にとっても大変良い経験でした。浅く広く教えるということは深く広く知っていなければならず、この機会がなければ決して勉強しなかった分野まで目を通す事ができて良かったと思っています。蛇足ながら、今回初めてハトを食べました。養殖されたハトで、とても美味しかったです。
記念撮影

2013年4月20日
 東京国際フォーラムで日本呼吸器学会学術講演会の一部として開催された「市民と医療関係者のための公開講演会-比較生物学に学ぶ”いのち”の尊さ」で講演を行いました。会場は、満席で1500人収容(3階席まで)の非常に大きく、これまで私が講演したなかでで最も大きい会場でした。当日は、雨にもかかわらず6-700名くらいの方が参加してくださいました。
 最初に東海大学付属東京病院の桑平一郎氏が「低酸素環境をいかに生き抜くか-鳥や恐竜,K2登山隊,潜水哺乳類に学ぶ」の演題で、続いて石松が「海と陸地の狭間に住む魚たち-有明海の干潟に住むトビハゼとムツゴロウを中心に」の演題で、そして最後に京都大学霊長類研究所の松沢哲郎氏が「想像するちから-チンパンジーが教えてくれた人間のこころ-」の演題で講演を行いました。
 聞きに来てくださった方々は学会参加者もさることながら、一般の方々も多く見受けられたように思います。このような機会を与えてくださった、日本呼吸学会に心からお礼申し上げます。
講演の様子1

2013年4月1日
今年度は8名でのスタートです。中国・タイ・タンザニアと多国籍な研究室となりました。充実した1年になるよう皆で力を合わせ頑張りたいと思います。

2013年3月25日
満開の桜の中での卒業式となり、石松研究室からも2人が巣立っていきました。
数々の挫折を乗り越えてたくましく成長した金田くん、不器用ながらも努力家で人懐っこい山崎くん、卒業おめでとう!
新生活でのご活躍をお祈りしております。

2013年3月19日
19日~21日に戦略的国際科学技術協力推進事業JST-MOST「気候変動に対する海洋生態系応答機構の解明」の初年度を締めくくるシンポジウムおよび情報交換のために、センターの西原准教授、石松研の横内JSPS特別研究員と中国のアモイ大学を訪問しました。20日には、Ling Feng workshop "Mesocosm approaches on effects of ocean changes on marine organisms and ecosystem"で今年度の成果に関する講演を行いました。また、アモイ大学のGao教授らが建設中のメソコスムを見学し、今後の共同研究について協議しました。
アモイ大学の植物プランクトン研究用メソコスム

2013年2月23日
石松教授がイギリスの科学雑誌Proceedings of the Royal Society B:Biological Sciencesの2012年トップレフリーの一人に選ばれました。
RSPB Referees poster DES2904 Mar13_web.pdf

2012年12月13日
石松教授が香港大学で開催された”Interdisciplinary symposium on ocean acidification and climate change”に参加し、海洋酸性化が水産養殖生物に与える影響”Biological impacts of ocean acidification on aquaculture species”について招待講演を行いました。
初めて開かれたこのシンポジウムでは、環境科学、海洋生物学、分子生物学、経済学、工学など様々な分野からの研究者が気候変動の影響について学際研究を立ち上げることを目指して討論を行いました。
このシンポジウムに参加したマレーシア科学大学のAileen Tan Shau-Hwai教授と、来年夏にはペナンで貝類養殖に与える共同研究を始める計画です。
招待講演1招待講演2

2012年11月20日
センターの河端助教と中国のアモイ大学で開催されたLingFeng Forum on "Understanding responses of marine organisms and ecosystem resilience to ocean changes"に参加し、招待講演を行いました。
アモイ大学のKunshan Gao教授とは、戦略的国際科学技術協力推進事業JST-MOST「気候変動に対する海洋生態系応答機構の解明」を平成24~26年の計画で実施しており、その一環としてアモイ大学を訪問したものです。
Gao教授と招待講演
2012年10月4日
八木助教が平成24年度日本動物学会川口賞を受賞しました。この賞は若手研究者の国際活動を支援するものであり、八木助教の今後の更なる活躍が期待されます。

2012年8月25日
熊本大学会津マリンステーションにて開催された第2回九州地区動物懇話会に、石松教授と王貴寧さんが参加し、口頭発表を行いました。
「Effect of ocean acidification on feed intake in the purple sea urchin Strongylocentrotus purpuratus」
H24九州地区動物懇話会

2012年7月13日
水産学部大会議室において、国際科学技術協力推進事業によるJST-MOSTプロジェクト「気候変動に対する海洋生態系応答機構の解明」のキックオフミーティングが開催されました。
当日は、アモイ大学のGao教授による植物プランクトンおよびコペポーダに対する海洋酸性化と紫外線の相乗影響の紹介に始まり、長崎大生産科学研究科の殷瑞さんが海洋酸性化と温暖化がウニ類と二枚貝に与える影響について概説し、続いて河端雄毅准教授が流れ藻の流路解析と生態系変化の解析に関する新たな手法の開発についての紹介、そして最後にGregory N. Nishihara准教授が沿岸藻類の生産量に関する新たな測定方法の紹介等の講演を行いました。
このプロジェクトは、植物生理の分野で優れた業績をもつアモイ大学のグループと動物を中心としたメソコスム研究を進めようとしているセンターのグループが共同して、気候変動が海洋生態系に及ぼす影響を3年間を掛けて解明しようとするものです。
今年秋には長崎大学のグループがアモイ大学を訪問して、両グループの交流が本格的に始まることになります。
キックオフミーティング参加者

2012年5月30日
石松教授とスクリプス海洋研究所の(故)Jeffrey B. Graham教授の共著論文"Roles of environmental cues for embryonic incubation and hatching in mudskippers."がBioMedLibの分野別論文リスト(domain 21705800)でトップ20論文に選ばれました。

2012年5月15日
5月13~20日に韓国の麗水(Yeosu)で開催された、第2回国際シンポジウム「世界の海洋に及ぼす気候変動の影響 Effects of Climate Chage on the World's Oceans」に参加しました。石松教授とD2殷瑞さんは、Sesson 5. From genes to ecosystems: Genetic and physiological responses to climate changeで以下の口頭発表を行いました。

A. Ishimatsu, A. Dissanayake, S. Kawaguchi, R. King, H. Kurihara, A. Ishida and M. Wakita (2012) Antarctic krill in a high CO2 Southern Ocean: potential impacts on early development and adult growth. 2nd International Symposium "Effects of Climate Change on the World's Oceans". May 13-20, Yeosu, Korea.
石松教授口頭発表
R. Yin, K.-S. Lee, G. Wang, H. Kurihara and A. Ishimatsu (2012) Climate changes (ocean acidification and warming) may impact the reproduction of the sea urchin (Hemicentrotus pulcherrimus). 2nd International Symposium "Effects of Climate Change on the World's Oceans". May 13-20, Yeosu, Korea.
殷瑞さん口頭発表
2012年5月3日
石松研恒例、春の歓迎会です。今年は有田陶器市ツアーに出かけました。
夜は打ち上げを行い、楽しい1日となりました。
有田陶器市ツアー1有田陶器市ツアー2
2012年5月1日
石松惇教授、栗原晴子研究員(当時)がオーストラリア南極局の研究者らとBiology Lettersに発表した論文"Will krill fare well under Southern Ocean acidification?"が2011年被引用数トップ10論文 (most cited articles from2011) に選ばれました。
南極オキアミ

2012年4月1日
新年度がスタートいたしました。
今年度は新しく4名が加わり、強力な研究室となりました。充実した1年になるよう皆で力を合わせ頑張りたいと思います。

2012年3月23日
雨の卒業式となりましたが、石松研究室からも2人が巣立っていきました。
365日メダカの飼育と実験を頑張った上岡くん、不器用ながらも努力家の明田川さん、卒業おめでとう!
新生活でのご活躍をお祈りしております。

2011年12月27日
毎年恒例のセンター餅つき大会
今年も4年生を中心に前日の準備から後片付けまで頑張りました。
今年は牡蠣焼きも行われ、大変豪華な餅つき大会となりました。

2011年12月10日
広島大学大学院生物圏科学研究科において第18回魚類生理学研究会が開催されました。
石松研からも石松教授とD2殷瑞さんの二人が参加し、石松教授が「海洋酸性化と温暖化が海洋動物の再生産に与える相乗影響」という演題で講演しました。

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